1/35 ＡＦＶシリーズ ソビエト T-64BV Mod.1985 主力戦車 Trumpeter (トランペッター)

「ソビエト T-64BV Mod.1985 主力戦車 プラモデル (トランペッター 1/35 ＡＦＶシリーズ  No.05522 )」です

●現用ソ連軍の主力戦車「T-64BV」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット

●現在のソ連軍（ロシア軍）戦車の基礎となった「T-64」の防御力強化型となる「T-64BV」を再現、低く地を這うコンパクトな車体に爆発反応装甲を身に纏った姿を表現した内容となっています

●トランペッター社製「ソビエト T-64B 主力戦車 Mod.1975」をベースとして、「T-64BV」を再現するために、砲塔パーツを変更、爆発反応装甲などの新規パーツを追加したバリエーションキットとなります

【 「T-64BV」について 】

●ソ連軍は1950年代に、第2次世界大戦末期に開発された「T-44」をベースとした汎用戦車「T-54/55 」を開発、1960年代前半にはその拡大型となる「T-62」が登場します

●この「T-54/55」と「T-62」は、性能と生産コストの低さから東側諸国を中心に大ベストセラー戦車となり、その大量の戦車は西側諸国にとって極めて脅威となりました

●しかし、この「T-54/55」と「T-62」は第2次世界大戦型の戦車の延長上であり、カタログスペック上では優秀な性能を示しましたが、基本構造や光学機器などの面では西側戦車と比べて見劣りするのも事実でした

●このことから、1960年代に入ると「T-54/55」「T-62」とは全く次元の異なる新設計の戦車の開発が行われ、1966年に「T-64 戦車」として制式化されます
●「T-64」は、西側ではまだ試作段階であった複合装甲をいち早く採用、「115mm滑腔砲」や「自動装填装置」などの新技術が取入れられています

●しかし、この「T-64」は先進的な技術を採り入れたために故障が多発、それに伴う改修が頻繁に行われることになります
●1969年には主砲を「125mm滑腔砲」へと変更、事故の多かった自動装填装置も改良型へと変更した「T-64A 戦車」が登場します
●この「T-64A」は、後の「T-72」や「T-80」、そして「T-90」といったソ連戦車の基礎となった戦車であり、同車のスタイルとレイアウトとがそのまま継承されています

●「T-64A」に続き、この改良型である「T-64B 戦車」が1970年代後半に登場、同車は主砲発射方式による対戦車ミサイル「9M112 コブラ」を搭載しており、外観上は同ミサイルの照準装置を砲塔上に搭載しているのが特徴となっています

●一方、出現当時は防御力に優れた「T-64」シリーズでしたが、その後の対戦車ミサイルの改良などで徐々に防御力の不足が指摘されるようになりました

●ソ連軍では、防御力を強化する方式として、対戦車ミサイルやロケット、そして成型炸薬弾などの化学エネルギー弾に対抗するための軽量の爆発反応装甲「コンタークト 1」を開発します

●この「コンタークト 1」は、基本的に対化学エネルギー弾に対抗するためのものであり、徹甲弾などの運動エネルギー弾には効力は無かったのですが、その後に登場した改良型の「コンタークト5」では爆発反応部分を2層式として運動エネルギー弾に対しても一定の防御効果を持たせることに成功しています

●「T-64B」の防御力強化型としてこの「コンタークト 5」を取り付けたのが「T-64BV」で、砲塔には楔状に「コンタークト 5」を装備、車体には前面だけではなく側面部分にもこの「コンタークト 5」が付けられています
●この「T-64BV」は、ソ連軍の主力戦車、そしてソ連崩壊後はロシア軍、ウクライナ軍の戦車部隊のに配備され、アフガニスタン侵攻やチェチェン紛争などにも参加、その強力な防御力と主砲の攻撃力で活躍しました
　・ もっとも、爆発反応装甲は無敵ではなく、防御力の弱い場所を狙った対戦車ロケットなどにより少なくない損害を受けています

●「T-64BV」は、「T-72」やその改良型となる「T-90」、そして「T-64」の後継車両となる「T-80」の登場後も使用が継続され、その優秀さを誇示、戦車戦力の中軸として欠かせない存在となっているのです

【 「ソビエト T-64BV Mod.1985 主力戦車」のキット内容について 】

●このソ連軍の主力戦車「T-64BV」を再現したプラスチックモデル組立てキットです

●トランペッター社の現行フォーマットに従い車体下部、砲塔上部、エンジングリルなどは一体成型としながらも、ディテール表現のために車体各所のパーツを細分化したパーツ構成で「T-64BV」を再現、メリハリの効いた車体ディテールを再現した内容となっています


●「T-64BV」は、「砲塔」「車体」「左右フェンダー」の4ブロックで構成されています

【 砲 塔 】
●砲塔は、単純形ながら、複雑な表情を見せる独特の形状を再現、前面部には鋳造肌表現、後部には追加装甲のパネルが繊細なモールドで彫刻されています

●「125mm滑腔砲」の砲身は上下分割式で、砲口部分は別パーツとなっています
　・ 防盾は、防塵カバーが付いた状態が再現されており、仰角の異なる2種類のパーツが付属、選択して使用します
　・ 防盾前部のリング部分はエッチングパーツとなっています

●砲塔は上下分割式で、これに砲塔周囲の各装備品を取り付けます
　・ 砲塔前部の表面には鋳造肌、後部には追加装甲がモールドされています
　・ 車長ハッチ、砲手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
　・ 砲手サイトは、砲塔に一体成型され、照準口、遮光フード部分はエッチングパーツとなります
　・ 対空機関銃は機銃架も含めて16パーツで構成されています

●爆発反応装甲は、各ブロックごとにパーツ化されています
　・ 砲塔前部の楔形の部分は、楔形を形作る上下分割のステー部分に爆発反応装甲パーツを取り付ける方式となります

【 車 体 】
●車体は、ソ連戦車独特の低いシルエット、車体床面の複雑な形状、そして「T-64」の独自の仕様となる小型の下部転輪などが豊かに表現されています

●車体はベースとなる車体下部パーツに車体上部の各パネルを貼り合せます

●車体下部はバスタブ式に一体成型されています
　・ サスペンションアームは別パーツです
　・ ショックアブソーバー、ダンパーがパーツ化
　・ 転輪は左右分割式で、ハブキャップは別パーツです
　・ 車体前部のドーザーブレード用の台座は別パーツとなっています

●車体上部は、前部パネルとエンジンデッキパネルとの分割式です
　・ 操縦手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
　・ エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属
　・ 前照灯のライトガードは一体成型によりフレーム形状が表現されています
　・ 前照灯のガラス部を再現するクリアーパーツが付属しています

●爆発反応装甲は、各ブロックもしくは各列ごとにパーツ化されています

【 フェンダー 】
●フェンダーは、その特徴的なプレスラインが強めのモールドで彫刻されています

●フェンダーは一体成型で、フェンダー前部の内側と後部のマッドフラップは別パーツです
　・フェンダー上部の雑具箱及び予備燃料タンクは、本体と後部パネルの2パーツで構成され、上部の配管は別パーツとなっています

●側面の爆発反応装甲は、下部が一体成型で、上部は2個ずつのパーツ構成となります

【 履 帯 】
●履帯は、プラパーツによる一部連結式履帯が付属しています
　・ 上下部分の直線部は繋がった状態、前後の曲線部は1枚ずつが分割されたパーツとなっています


●エンジングリルのメッシュ、各部のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています
●ペリスコープ、前照灯のガラス部などを再現するクリアーパーツが付属
●車体後部に装備される軟弱地脱出用の丸太を再現したパーツが付属


【 塗装とマーキング 】
●「T-64BV」のマーキングとして、ソ連軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されており、親衛マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています


●「T-62BV」の完成後のサイズ
　・ 全長 ： 261mm　
　・ 全幅 ： 151mm

●パーツ数 ： 600以上


●2014年 一部新金型