NVA T-34/85M
「NVA T-34/85M （プラモデル） (ドラゴン 1/35 NAM Series No.3318 )」です
●ベトナム戦争時におけるベトナム人民軍（NVA＝北ベトナム軍）の中戦車「T-34/85」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●ソ連もしくは中国からの供与車両としてベトナム人民軍で運用された中戦車「T-34/85」を再現、大型の砲塔に長砲身砲を装備した、均整の取れた姿を再現した内容となっています
●ドラゴン社製「T-34/85 Mod.1944」をベースとして、クロアチア軍仕様車を再現するために「T-26E3 重戦車」の一部ランナーを追加、デカールを変更したバリエーションキットです
●本キットのタイトルは「ベトナム人民軍（NVA）」となっていますが、「クロアチア軍」や「ソマリア軍」など、第2次大戦後5つの国で運用された「T-34/85」を再現可能な内容となっています
●本キットで再現している「T-34/85」は
・ 3人用の大型砲塔を装備
・ 主砲は「ZiS-53 85mm戦車砲」を搭載
・ 砲塔のベンチレーターは砲塔後部に2基並列配置
・ 前部フェンダーは角張ったタイプ
・ 転輪は全てゴムが付いたタイプ
・ 予備燃料タンクは筒型のものを車体側面に3個装着
・ 車体後部には発煙装置を装備していない
「T-34/85」の「1944年型」を再現しています
【 「NVA T-34/85M」のキット概要 】
●ディテール再現に重きを置きながらも、パーツ数を抑え、作りやすさに配慮した内容
●「クロアチア軍」仕様に対応した「M2重機関銃」が付属
●各乗員ハッチは開閉状態を選択可能
●履帯は「M42履帯」、1枚ずつに分割した接着連結式
●塗装例は5種、国籍マークや車両番号などを再現したデカールが付属
●「ベトナム人民軍」仕様だけではなく、「クロアチア軍」「ユーゴスラヴィア人民軍」など、マーキングなどにより、戦後の5ヶ国の「T-34/85」を再現することが可能
【 「中戦車 T-34/85」について 】
●ソ連陸軍は1940年になると「BT戦車」を発展させた中戦車「T-34/76」を開発、この「T-34/76」は当時としては強力な火力と傾斜装甲を多用した強靭な防御力、そして幅の広い履帯を採用し高い機動性能を実現し、他国の戦車よりも一歩抜きん出た存在でした
●しかしながら、「T-34/76」は小型の2人用砲塔を搭載したため、車長は視察や指揮などの本来の役割だけではなく、砲手もしくは装填手の役割も受け持ち、運用面で性能的には劣っていたドイツ戦車に後塵を拝することも少なくありませんでした
●そこで、1943年に登場したのが改良型の「T-34/85」で、大型化した3人用の砲塔を搭載、主砲も強力な「ZiS-S-53 85mm」砲に変更されました
●この「T-34/85」は「T-34」シリーズの完成形となり、第2次大戦時だけではなく、戦後になっても東側諸国やソ連の友好国で広く運用が行われました
●21世紀を迎えると、戦車は戦後第1世代から第3世代戦車へと発達し、アメリカのような大国では戦後第3世代戦車のみ、それに及ばない国でも戦後第2世代及び第3世代戦車を装備するようになっていますが、小国ではそのような高コストな戦車を導入する予算はなく、2000年代になっても第一線で「T-34/85」を運用している国もあります
●また、電子機器などを多く装備する戦車は、装備の維持や乗員の訓練などが難しく、現在では完全なローテク兵器である「T-34/85」の方がかえって使いやすいというのも事実です
●「T-34/85」は、博物館に展示するような骨董品としてだけでなく、現役の「戦車」としてこれからも運用が続くと見られているのです
【 「ベトナム人民軍のT-34/85」について 】
●「インドシナ戦争」を経るとベトナムからフランス軍は去り、ベトナムは共産主義国の来北ベトナムと、自由主義国の南ベトナムに分かれました
●この「インドシナ戦争」の終結後、ベトナムの地にはひとときの平和が訪れましたが、ベトナム統一を目指す北ベトナム側と、アメリカが介入した南ベトナム側との間に紛争が発生、次第に軍事衝突が激しくなり、「ベトナム戦争」へと発展します
●北ベトナム軍は、ソ連や中国などの共産主義陣営から武器や弾薬などの大量供与が行われ、南ベトナム側はアメリカをはじめとする自由主義陣営が直接に兵力を派遣しました
●北ベトナム軍には「T-34/85」などの戦車や装甲戦闘車両が供与され、「ベトナム戦争」の一時期には実戦に投入されましたが、アメリカ軍や南ベトナム軍は潤沢に対戦車兵器を保有しており、さらに一線級の戦車や攻撃ヘリまで動員したことから、ほぼ一方的な戦いとなってしまい、その後は北ベトナム軍による機甲兵力の投入は行われませんでした
●しかし、ベトナムからアメリカ軍が撤退すると、北ベトナム軍は「T-34/85」や「T-54/55」などの機甲兵力を実戦に投入、国内での政治的混乱により戦意が低く、指揮官の統率力も弱い南ベトナム軍を一蹴し、首都サイゴンへと突入したのです
【 「NVA T-34/85M」のキット内容について 】
●ソ連製の中戦車「T-34/85」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ドラゴン社の高いディテール表現力とリサーチ力を投入して「T-34/85 1944年型」を再現、「Ｔ-34/85」の細部を再現しながらも、同社特有の細分化したフォーマットのパーツ構成ではなく、パーツ上のモールドを主体としたディテール再現によりパーツ数を抑え、組みやすさに配慮した内容となっています
●「T-34/85」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●「T34/85」独特の砲塔形状を再現、砲塔表面部分には鋳造肌を繊細なタッチで再現しています
●「ZiS-S-53 85mm戦車砲」の砲身は一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して砲口を開口しています
・ 「防盾」は一体成型のパーツで再現
・ 「防盾（砲身）」は、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は上下に分割したパーツで構成、砲塔前面の溶接パネル部は別パーツ化しています
・ 「装填手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択して組み立てることができます
・ 「ペリスコープ」はガード部と蓋の部分との2パーツで再現しています
・ 「吊り下げフック」「ピストルポート」「視察口」「後部フック」「手摺り」は別パーツ化
・ 「ベンチレーター」は一体成型のパーツで再現
・ 「クロアチア軍」仕様用として「M2重機関銃」が付属、「ベンチレーター」の間に取り付けることができます
●「車長キューポラ」は上下に分割したパーツで再現
・ 「車長ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 側面の「視察口」は別パーツ化して再現
・ 上部の「ペリスコープ」はガード部と蓋の部分との2パーツで構成
【 車体上部 】
●傾斜面で構成された「T-34/85」の車体上部形状を再現、溶接跡や車体上のフック、フェンダーの細かなディテールなどをモールドで再現しています
●車体上部は、フェンダーも含めた一体成型のパーツで再現、後部パネルは別パーツ化しています
・ 後部の「エンジングリル部」と、側面の「吸気グリル部」は個別にパーツ化
・ 「操縦手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ エンジンデッキ上部の「点検ハッチ」と、後部パネルの「点検ハッチ」は別パーツ化しています
・ 「前方機銃」は、機銃本体、防盾、機銃マウントの3パーツで再現
・ 「排気管」は左右に分割したパーツで再現
・ 「前照灯」は前後の2パーツで再現、ライトコードも別パーツ化して再現しています
・ 「予備燃料タンク」は4パーツで再現、取り付け基部は別パーツ化して再現しています
・ 「牽引ワイヤー」は、アイの部分はプラパーツ、ワイヤー本体は付属の紐を使用して作製します
【 車体下部 】
●車体下部は、前面及び後部パネルを除きバスタブ状に一体成型となったパーツで再現
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化して再現しています
・ 「クリスティーサスペンション」の「コイルスプリング部」は別パーツとなっており、車体下部パーツの側面裏側に接着します
・ 「転輪」「起動輪」「誘導輪」は前後に分割したパーツ構成で、「ハブキャップ」は別パーツで再現しています
【 履 帯 】
●履帯は、表面部にワッフル状のパターンが刻まれた50cm幅の「T34」用の「M42型」履帯を再現しています
・ 履帯は、履板1枚ずつに分割した接着連結式となっています
・ 1枚ずつにカットされたマジックトラックではなく、ランナーで成型されたプラスチック製のパーツです
・ より精密で立体感ある履帯に交換したい場合には、「T34用履帯 M42型 （可動式）」がこれに対応しています
【 「T-34/85」の塗装とマーキング 】
●「T-34/85」のマーキングとして、5種類の塗装例が説明書に記載されています
・ クロアチア軍 （クロアチア・ドブロブニク / 1991年）
・ ユーゴスラヴィア人民軍 （クロアチア・カルロヴァッツ / 1991年）
・ ソマリア軍 （ソマリア紛争時 / 1978年）
・ アンゴラ陸軍 （ナミビア / 1980年）
・ ベトナム人民軍 （ベトナム戦争時 / 1971年～1975年）
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「NVA T-34/85M」のパッケージ内容 】
・ T-34/85 中戦車 （1944年型） ×1
・ 紐 ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
