日本航空母艦 信濃
「日本航空母艦 信濃 (プラモデル) (タミヤ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.215 )」です
●「日本航空母艦 信濃 (しなの)」です
●太平洋戦争末期に完成した帝国海軍の装甲航空母艦「信濃」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●最新の資料によって、謎の多い日本最大の航空母艦「信濃」を再現、「大和型」戦艦の3番艦として起工され、航空母艦へと転用、そして最初の航海でその生涯を閉じた悲劇を背負った姿が表現された内容となっています【 航空母艦「信濃」について 】
●帝国海軍は、世界最大である戦艦「大和」、「武蔵」の建造を1937年に開始、続いて同型艦となる3番艦と4番艦の建造を1940年から着手します
●この3番艦の竣工は1945年を目指して工事が進められていましたが、アメリカとの戦争が現実味を帯びてくると、建造計画は見直され、即戦力となる航空機や小型艦艇の建造が優先されました
●また、真珠湾攻撃によって航空機戦力の有効性が認められると、巨大戦艦の存在意義が薄れ、3番艦、4番艦の工事は中断されてしまいます
●1942年6月に行なわれた「ミッドウェー海戦」により、連合艦隊は主力空母4隻を失うという大損害を受けます
●この損害は実質的に空母戦力の2/3を失ったことを意味しており、早急な戦力の回復が望まれました
●そこで、帝国海軍は空母の緊急建造計画を立案し、建造の初期段階にある4番艦は建造を中止して、その資材を転用、建造が進んだ3番艦は航空母艦への変更が行なわれることとなりました
●この3番艦は「信濃」と命名され、不沈戦艦である「大和」と同じ船体を使用する関係で、その特徴を活かし、飛行甲板を装甲化した装甲航空母艦として建造が進められます
●この装甲航空母艦「信濃」は、同様な性格を持つ航空母艦「大鳳」を発展したもので、飛行甲板の格納庫の大きさの部分を装甲化した他に、弾薬庫、燃料庫などの装甲を強化し、「ミッドウェー海戦」の戦訓を元に耐弾能力の高いものとなっています
・ ただし、船体の装甲は「大和」、「武蔵」よりも薄くなっています
・ また、航空母艦として建造するために、「大和型」の特徴である前部主砲塔部分の甲板の傾斜部はフラットな形状に変更され、船体の基本形は「大和」、「武蔵」とは異なっています
●「信濃」は、通常型の空母の前方に展開し、海上の航空機基地となって後方から進出してきた艦載機の燃料、弾薬の補給を行い、自身はその強固な装甲により敵からの攻撃に耐えるという作戦を採るものとされました
●その作戦運用と、装甲化された甲板の重量の関係から格納庫は1段式となり、搭載機数は42機と、巨大な船体の割りには少ないものとなっています
●「信濃」は1944年10月に竣工、当時の世界最大の航空母艦として排水量6万8000tという巨体を誇りました
●しかし、帝国海軍は「信濃」の戦力化を急ぐあまり、突貫工事だけではなく、各部の省略が行なわれ、それも防水設備や被弾時に対処するための注水設備も不完全であり、航行しながら艦内の工事が継続されました
●乗組員に関しても、充分な訓練には程遠く、巨大な船体の内部構造を把握している乗員は皆無という状態でした
●そのような状況下、竣工して1ヶ月後の11月に、最終的な艤装を行なうために、建造された横須賀の海軍工廠から呉に回航されることになります
●この回航にあたっては、駆逐艦3隻が護衛に付き、昼間の航空機攻撃を避けるために夜間航行が行なわれました
●ただ、この駆逐艦は「レイテ沖海戦」から帰投したばかりの艦であり、水中聴音器などが損傷を受けた状態で任務に当たらなければなりませんでした
●「信濃」は、浜名湖南方沖においてアメリカ潜水艦「アーチャーフィッシュ」の雷撃を受け、4本の魚雷が命中してしまいます
●同艦の乗組員は、必死で浸水の回復を試みますが、前述のように防水設備は整っておらず、浸水を防ぐことができないために機関が停止します
●一方で、駆逐艦での曳航の試みも行なわれましたが、巨艦の沈下にケーブルが耐え切れず、ことごとくケーブルが切れて失敗し、万策尽きてしまいます
●「航空母艦 信濃」は全てが不完全な状態で回航中、多大な損害を吸収することができず、不沈空母としてはあっけない最期を遂げしまうのです
【 「日本航空母艦 信濃 (しなの)」のキット内容について 】
●この帝国海軍の航空母艦「信濃」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●ウォーターラインシリーズの旧「信濃」を完全リニューアルした製品で、最新の考証によって「信濃」を再現、「大和型」の大きな船体に、スマートな大型の島型艦橋を装備した迫力且つ均整の取れたフォルムが表現されています
●キットは、その模型表現力を世界に誇るタミヤが、リニューアル化にあたりその高い技術力により製品化、シャープな彫刻と、繊細なディテール、エッジが鋭いスポンソン表現など、現在の目で見ても遜色の無い内容となっています
●この「信濃」のキットは、同社の「日本戦艦 大和(やまと)」のバリエーションキットではなく、船体部分、武装類も同艦専用に新設計されています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「信濃」の船体部は左右分割式で、これに船首、船尾甲板、飛行甲板などを取り付ける構成となっています
●船体部には、格納庫側面が一体成型されています
・ 船体部には、一部のスポンソンの基部が一体成型され、舷外電路、舷窓、閉塞された舷窓、ホースパイプ、塵捨管などの細部が再現
・ 船体部の装甲板の継ぎ目が、繊細なモールドで彫刻されています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は、船首部分、船尾部分に分割されています
・ 甲板上には、アンカーチェーン導板、ケーブルホルダー、ボラードなどの細かなディテールが再現されています
・ 船首、船尾の甲板部分には、機銃座のパーツが用意されています
・ 飛行甲板の支柱は上甲板に一体成型にて再現
●飛行甲板は一体成型で、エレベーター部分は別パーツとなっています
・ エレベーターは上げた状態と、下げた状態とを選択できます
・ 飛行甲板上には、表示線、遮風柵、着艦制動装置、滑走制止装置、クレーン収納蓋などがモールドされています
・ 飛行甲板裏側には細かな桁が再現されています
・ 噴進砲のスポンソンは別パーツです
・ 甲板後方のクレーンは、展開した状態と収納した状態とを選択できます
●格納庫内部の主要構造躯体がパーツ化され、エレベーターや側面の開口部(被弾時に爆風を逃すための開放口)からその様子を見ることができます
・ 内部構造は前後2分割式です
「信濃」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋の主要部は4パーツで構成
・ 艦橋の窓枠がシャープに再現、側部の舷窓、扉などがモールドされています
・ 21号電探(×2)、1.5m測距儀、方位測定器が別パーツにて再現
●マスト基部は三脚楼型、トップは単楼型で、前後2分割式です
・ 13号電探は前部パーツに一体成型されています
● 煙突
・ 本体部分は左右2分割式となっており、トップは別パーツとなっています
・ トップには内側の整流板が彫刻されています
・ 各副管、煙突の支柱は別パーツです
●通信マストは1パーツで構成されています
●高角砲、機銃用スポンソンはブロックごとに別パーツとなっており、下面の補強板が一体成型で1枚ずつ再現
・ スポンソン部の支柱は別パーツで、複雑な構造が再現されています
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲A1型」 ×8
・ 高角砲は、砲身部と砲架部との2パーツで構成
●対空機銃
・ 25mm 3連装機銃 ×37
●噴進砲「12cm 28連装噴進砲」 ×12
・ 噴進砲は、砲本体と砲架との2分割式です
●艦載機
・ 艦載機は、静岡模型教材協同組合「日本航空母艦搭載機 後期セット」のランナーが2枚付属しています
・ 艦載機は各機に一体成型となっています
・ 艦載機はクリアーパーツとなっています
●艦載機内容
・零式艦上戦闘機52型×12
・艦上偵察機 彩雲×2
・艦上爆撃機 彗星12型×8
・艦上攻撃機 流星改×2
・艦上攻撃機 天山12型×8
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 錨、副錨
・ 1.5m測距儀
・ 110cm探照灯
などがセットされています
●対潜迷彩の塗装図が表記されたカラーのリーフレットが付属しています
●飛行甲板上に書かれた表示線、着艦標識、艦載機の日の丸マークを再現したデカールが付属しています
・ マストに掲げられる軍艦旗などプリントした紙製のシートが付属
●1999年 完全新金型(艦載機を省く)